CTコロノグラフィは、多くの病院で検査が出来ます。珍しい検査ではありません。(CT装置を使った大腸検査です)
【ラジエーションハウスⅡ】4話
ラジエーションハウス2の4話見ましたか?面白かったです。私は診療放射線技師で、たのしく観ていますが、主人公のような技師さんは実際にはいませんよね。
お医者さんであり、技師でもある。そして技師として働いているなんて!考えられません。
病院で診療放射線技師として雇われるということは、給与もお医者さんに比べて少ない。そんな低い給与で良い、なんてありえないですね。
お医者さんとして自信が無いのであれば仕方ないですが、放射線科医として、すごい能力の持ち主であり、ドラマでしかありえない設定です。
観ているものとして面白いと思うことの一つは、従来の番組では、裏方としている診療放射線技師の仕事が、ドラマとしてみられることです。
また、私自身が技師であるため、診療放射線技師の仕事を知ってもらうことは、とてもうれしいことです。
反面、医師免許を持っていることは、少しがっかりです。医師免許が無い、スーパー診療放射線技師が主人公だともっと、痛快で面白いかもしれません。
私が、診療放射線技師の免許を持っているためそう思うのでしょうか?
大衆が番組を見る場合、医師免許を持っている持っていないは関係が無いかもしれませんね。
4話:番組内の『CTコロノグラフィ』を見て
今回のお話で、二人のお子さんのお母さんが、大腸CTを受けるシーンがありましたが、受ける前から私には、所見(悪いところ)が無いことを確信していました。多くの技師や医師は私と同意見だと思います。
このCTコロノグラフィの一番の弱点は、ポリープを見つけても切除できないことです。大腸内視鏡検査では、その場でポリープ切除できます。
日本人のおおよそ半数位にポリープが見つかります。多くの場合、良性のポリープのためすぐに取る必要性はありませんが、後の癌化の可能性を踏まえ、この機会に切除することが多いようです。
何も異常がない場合は、簡単で負担も少ない優れた検査と言えます。
それぞれの検査の長所・短所については下記で説明します。
ドラマでは、『CTコロノグラフィ(大腸CT)』を新たに開発された検査のような作りになっていましたが、実際は多くの施設で、すでに検査は行われています。
検査を希望される場合は、病院へ電話を入れて『貴院でCTコロノグラフィ検査可能ですか?』と確かめてください。
この検査(CTコロノグラフィ)は、CT装置があれば検査ができる訳ではありません。
解析用のワークステーションやソフトが入っていないと上手く検査が出来ません。
その為、検査を希望される方は施設に確認が必要です。
大腸内視鏡検査
大腸内視鏡検査は、大腸ファイバーともいいます。下剤を飲んで、大腸内の便を全て排出してから検査を行います。これは、CTコロノグラフィも同じです。
お尻から管を入れて大腸内を直接観察します。胃カメラと同じやり方です。鼻や口から入れる管と同じ様な管をおしりから入れますが、管の太さは大腸検査のほうが凄く太いです。
大腸内視鏡では下記のように大腸内にあるポリープやウンチなどを直接目で見るため違いがよくわかります。色の違いが判ります。
ポリープが有った場合は、その場で取ってしまうことができます。この点は、良いですね❗
大腸内視鏡検査を受けて
私は、ある年齢になってから、大腸内視鏡検査を2年に一度受けております。
今までに3名の医師に検査をしてもらいましたが、施行する医師によって、こんなに『上手』『下手』の差があるとは考えていませんでした。
全く痛くない上手な医師から痛みで検査を中止してほしいと思うくらいの下手な医者もいました。その下手な医者には、2度と検査を受けたくありません。
検査を受ける際には、その施行者(医師)の口コミを調べましょう。
CTコロノグラフィ(大腸CT)
太い管をおしりから入れる必要はありませんので、身体の負担や心の負担は少ない検査です。
下記のようにポリープであってもウンチであっても同じ色で表されますので、区別が難しい。
区別するために、『仰向け』と『うつ伏せ』の2回取ります。下記のように2回撮影して異物の移動などを確認します。
大腸CT検査の場合腸管もポリープもウンチも同じ色の画像となりますので、色で判断できません。
仰向けとうつ伏せで撮る理由はそのものが『動くかどうか?』『形が変わるかどうか?』で判断できます。仰向けとうつ伏せで位置が変化すればウンチ、変化しなければポリープなどと判断できます。
観察用展開画像
長い大腸を観察しやすいように、展開して下記のように表示することもできます。(ワークステーションをお持ちの施設で可能)
松岡クリニックHPより引用
施設によっては、事前に造影剤を飲んで便に標識を着けて、腫瘍と区別する検査方法を取り入れてるところもあります。(タギング法)
最後に
CTコロノグラフィは、精密検査というより『症状が無いけど一度やっておこうかな』と考える場合(検診)、行うと良い検査です。
ポリープの可能性がある場合は、内視鏡による大腸検査をお勧めします。2度手間が省けます。(前回ポリープ切除した経緯がある方は内視鏡をお勧めします)