ラジエーションハウス Ⅱ7話ご覧になりましたか?私は楽しく見させて頂きました。
過去の放射線検査(画像診断)
一人の診療放射線技師の悩みを題材としたお話でしたね。最近は行われなくなった放射線検査を紹介した形となった7話でしたね。私のような古い放射線技師であれば過去によくやった検査で、私は懐かしく拝見できました。
現在の放射線検査(画像診断)はCTやMRが全盛期で、過去に多く行われた検査は姿を消してしまいました。過去によく行われた検査には、胆のう造影検査や関節造影検査などいろいろあります。
近年数を減らしてる検査に胃透視や大腸透視(注腸検査)があります。胃カメラや大腸ファイバーの性能が良くなり胃透視や大腸透視は減少傾向にあります。
使用するファイバーは以前より細く、術者の技術も良く、検査の苦痛が減ってきました。
今回のラジエーションハウスⅡの7話では、過去によく行われていた静脈性腎盂造影法(IVPやDIP)がそれです。腎結石や尿管結石を疑う時によく行われる検査です。
CT装置が点検中という、苦肉の策でしたが、この腎盂造影検査は、造影剤を注射してお腹の写真を撮るだけの簡単な検査です。
腎盂造影とは
造影剤は老廃物として腎臓でろ過されて、尿と一緒に膀胱へと排出されますがその流れて行く造影剤を写真に撮ります。
東京国際大堀病院HPより
(施設によりCT装置の被ばくを考慮して腎盂造影を積極的に行っている施設もあります)
IVPとは?
IVPとは、英語でIntravenous Pyelographyと言います。日本語で静脈性腎盂造影法です。造影剤を静脈注射をして1分、2分、3分、5分と撮影を行います。(撮影間隔は施設によって多少違います)
DIPとは?
DIPとは、英語で Drip Infusion Pyelographyと言います。日本語では点滴注入腎盂造影法です。点滴で造影剤を体内で入れ注射後5分、10分、15分、20分に撮影して最後に立位を撮ります。(撮影間隔は施設によって多少違います)
尿管結石のX線画像の見え方
お話では、X線写真に写りにくい結石の対応でしたが、造影剤を入れることで、(従来結石は骨と同様に白く写るのですが、造影剤に浮かんだ状態では)少し黒っぽく写ります。
又は、結石が尿の流れをせき止めた状態であれば、ダムのように手前の尿管が膨らんだように太く見えます。よって結石が判ります。
①X線写真に写る結石をイラストにしています。結石の上部は尿管が膨らみ結石によって造影剤(尿)がたまってる状態です。
②、③は、見えない結石の場合をイラストにしています。②のイラストは完全閉塞のため、尿管下部には造影剤は写っておりません。
③は結石は完全閉塞でないため、尿管下部にも造影剤があるため、丸い欠損陰影が見受けられます。
医学的な立場から言えば、尿管が膨らんだ状態になっていても、原因が結石と断定は出来ません。
がんや外部からの圧迫の可能性も考えられますが、そこは画像を判断する放射線科医(本田さん演ずる甘春先生)の診断です。
腹部エコーで尿管結石は判りますが、エコーでも判らない結石の設定でしたね。又、あれだけの施設であればCTは2台体勢ですよね❗
放射線スタッフについて
放射線科スタッフにスポットを当てた今回の話では、納得する部分がありました。
放射線技師にも色々な性格の人がいます。広瀬技師さんのように、明るく愛想の良い性格から、人との付き合いが苦手な技師や仕事では一切無駄口をたたかない技師、話が好きで患者さんと仲良くなる技師、など色々な性格の技師がいます。
矢野聖人さん演ずる悠木倫は、愛想が良くない暗い性格でしたが、その分仕事に熱心で勉強も頑張っていました。私からすれば、大した技師さんです。
いくら仕事が出来ても愛想がよくないからと言って問題視されることがあるんです。今の世の中住みにくいですね。
現在の病院では、放射線技師も名札を付けて、放射線科入り口には、検査担当者を記載してあり、意見箱が置いてある施設もあります。それによって苦情やお礼(良いことも悪いことも)を投書されることがあります。
二人『五十嵐 唯織」と『甘春 杏』の恋愛について
話は変わりますが、主人公の『五十嵐 唯織』と『甘春 杏』この二人は今後どうなるのでしょうか?少年時代に彼女を助けるために心に決めたこの仕事は本当に恋愛関係になるのでしょうか?
今回の7話では『甘春 杏』先生のお父さんの件で、鈴木伸之さん演ずる『辻村駿太郎』に後ろから抱擁され、良い関係ですよね。
しかし番組の最後には、甘春杏先生のお父さんでもある元院長から、意味深な声を掛けられ、『本命はこちら?』と私の思いはフラフラしています。
『五十嵐 唯織」と『甘春 杏』と『辻村駿太郎』の三角関係はどんな結末でしょうか?楽しみです。
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