骨粗しょう症検査とは
加齢や閉経によって骨が弱くなる骨粗しょう症は、女性だけの病気ではありません。このサイトでは、検査の仕方や治療法方法(運動・日常生活・食事・薬)をお知らせします。
健康で快適な生活を送るために、まずは自分の骨密度を知り、骨密度が減らないよう適度な運動とバランスの良い食事を心がけましょう。
- 骨密度検査とは?
- 骨粗しょう症ってどんな病気?
- 何を食べたらいいの?
- どんな運動したらいい?
骨密度検査や骨塩定量測定と言います。大きく分けてX線を用いる方法と超音波を用いる2種類があります。
X線を用いる方法としてDEXA(デキサ)法とMD(エム ディ)法があり、超音波を用いる方法は、定量的超音波測定法(QUS)と言います。
DEXA・DXA(デキサ)法について
2種類のエネルギーのX線を用い透過率の差を利用して行う骨密度検査です。専用の検査台に横になり腰椎(正面、側面)や股関節、前腕などの骨密度をX線で測定します。
検査着に着替え寝台に横になり、数分間動かないでいればOKです。腰椎正面測定は上部からX線を照射し、背部にある検出器で計測します。
腰椎(側面)はX線発生器と計測器が横へ動いて、仰向けのまま撮影ができます。(装置の種類によっては、横向きに寝るタイプもある)前腕骨は椅子に座って検査を行こなうとができます。
腰椎や大腿骨検査は体全体の骨密度を反映していますので、より正確な検査結果といえます。しかし大動脈に石灰化がある場合は検査結果に影響を与えますので、注意が必要です。
細いスリットを使った撮影のため通常の腰椎撮影のように一瞬ではありませんが、エックス線の被ばく量は、通常の5分の1以下です。
DEXA(デキサ)法検査風景:腰椎正面、側面を撮影して解析します。腰椎正面画像:骨の部分を選択して解析準備を行います。
測定結果表です。 縦軸は骨密度、横軸は年齢を表します。
DEXA法とQUS法は同様な結果報告書です。縦軸は骨密度、横軸は年齢を表します。同年代の方、20代の方との比較をし、その割合をパーセントで表します。
上記が48歳の時の私の検査結果です。同年代との比較では112%、若年成人と比較して108%です。この検査結果をもとに医師が判断します。
QUS法(超音波法)について
椅子に腰かけ装置に足を挿入します。かかとに超音波を照射し測定します。骨の強さを反映する測定方法です。
検診などで骨折リスクを簡単にスクリーニングする方法として普及しています。QUS法(超音波法):検査は魚群探知機と同じ超音波を使います。
超音波を用いる方法はX線による被ばくがないというメリットがあります。かかと(踵骨)の密度を測定しますので、身体全体の骨密度を反映していない場合があります。
DEXA法とQUS法は同様な結果報告書です。縦軸は骨密度、横軸は年齢を表します。同年代の方、20代の方との比較をし、その割合をパーセントで表します。
MD法について
手の骨密度をX線で測定する方法です。簡便に測定できるので、DXA(デキサ)装置のない医療機関ではよく用いられている方法です。
設定された撮影条件でカセットの真ん中にくさび状のアルミニウム(アルミ)を置き両手をカセットに乗せて撮影します。中手骨とくさび状のアルミとの濃度比から骨密度を出します。
測定は簡単ですが、院外の解析メーカへ解析依頼が必要になるため、検査当日に結果を知ることはできません。
血液検査や尿検査によって骨の新陳代謝のバランスをしることができます。
検査代金(DEXA法とQUS法)
超音波による検査は、魚群探知機と同じ超音波です。検査代金は超音波による検査は800円、DEXA法は3600円ですあくまでも検査代金だけです。
骨粗しょう症ってどんな病気?
骨の外観変化は少ないが、内部がスカスカになり骨量と粘りが低下し骨折しやすくなる疾患またはその状態のことを言います。
多くは老化による原発性骨そしょう症ですが、ほかの病気や薬の影響によって二次的におこる続発性骨そしょう症もあります。内分泌性、栄養性、薬剤性、生活習慣病、先天性があります。
骨の量は、およそ20歳をピークにその後、徐々に減少していきます。特に閉経後の女性ホルモン減少が骨の量を急激に減らすため、女性に多く発症する病気です。
年を取って背中が丸くなったり腰の痛みで歩けなくなったりするのは、骨が弱くなって徐々につぶれるいつの間にか骨折や、少しの衝撃による骨折が原因と考えられます。
骨は細胞や血液と同じように古いものは壊され、新しいものが作られる新陳代謝を繰り返しています。そのバランスが崩れ、壊す骨の量が増え、作る骨の量が追いつかなくなることが続くと骨が減少します。
その減少によりさまざまな部位の骨折が起きやすくなります。特に足の付け根(大腿骨骨頭)の骨折は寝たきりや要介護の原因となります。
寝たきりや要介護は、認知症への引き金にもなります。養性、薬剤性、生活習慣病、先天性があります。
何を食べたらいいの?
骨の成分の多くは、リン酸カルシウムとコラーゲンです。コラーゲンは、たんぱく質の一種で18種類のアミノ酸からなります。
カルシウムをくっ付け骨の弾力を上げるのがコラーゲンです。骨を作る栄養素としてたんぱく質、カルシウム以外にビタミンDやビタミンKが必要となります。
ビタミンDは、カルシウムの吸収を助け、ビタミンKは、骨へのカルシウム沈着を助けます。
たんぱく質 | 肉類、乳製品(牛乳、チーズ)とうふ、納豆など |
カルシウム | 乳製品(牛乳、チーズ)小魚、とうふ、豆腐など |
ビタミンD | 魚類(サンマ、イワシ)、納豆、干しシイタケなど |
ビタミンK | ほうれん草、ブロッコリー、にら、納豆など |
納豆は、骨を作るのに必要な栄養素がすべて入っております。手軽で安価であり、摂取をおすすめします。また日光に当たると皮膚でビタミンDが作られます。
過度のダイエットは、骨粗しょう症の原因となります。適正体重の維持も骨粗しょう症のリスクを減らします。
ビタミンDが不足すると筋肉がおとろえたり、カルシウムの吸収が悪くなります。ただし摂りすぎには注意しましょう。
一日の目安上限は、100μgです。ビタミンKが不足すると出血しやすくなります。日常的には取りすぎの心配はありませんので、多めにとっても大丈夫です。
どんな運動をしたらいい?
適度な運動をすることで、骨は強くなります。普段やっている運動より少し負荷のかかった運動が効果的です。
普段から座っていることが多い方は、立ち上がったり、座ったり、動くことが苦にならない方は、速足ウォーキングなど、少しだけ負荷をかけた運動が良いと考えます。
ロコモ体操もその一つです。〇片脚立ち〇スクワット〇ヒールライズ(かかと上げ)〇フロントランジなどがあります。
骨を強くすることと同時に転倒しないような空間を作ることが、大切です。
トイレに行く場合、トイレへの導線には物を置かないようにし、できれば照明を点けましょう。手すりを付ければより安全です。